先輩起業家インタビュー

Interview

“私のための、私のお気に入り”と出会える古着店

memy1.JPG富山市中心部の堤町通りにあるVintage & used shop『memy(メマイ)』は、古着を販売、修理、リメイクするお店です。70~90年代のアメリカの古着を中心に、肌あたりの良い素材、珍しいテキスタイル、体になじむパターンのものをセレクト。修繕にも応じながら、着る人に似合う服やスタイルを提案しています。令和4年5月に創業し、同年7月28日に同店をオープンしたオーナーの糸岡里華(いとおか・りか)さんに、創業までの経緯やお店の特徴、活用した支援制度、これからの展望などをお聞きしました。

服が好き。子どもの頃からの夢を実現

memy6.jpeg小学生の頃からファッションに興味があり、デザイナーや洋服屋さんにあこがれていました。服飾系の専門学校を卒業後、アパレルメーカーに就職。富山市内の商業施設にある店舗で店長として勤務しながら、いつかは自分の店をという思いを温めていました。
創業のきっかけは新型コロナで勤務先が休館になり、現状や先のことに向き合う時間ができたこと。服を選ぶときに「もう少しここがこうだったら…」と感じたことがある人は多いと思いますが、着る人に似合う形に直して提供したり、眠っている服をリメイクしたりできる店って、富山にはあまりないんですね。好きな古着に囲まれて、お客さんにはゆっくり服選びをしてもらいたいからドリンクも提供して…とビジョンが膨らんでいきました。
1年半ほどは仕事の傍ら準備を進めました。コンセプトボードをつくり、お店のコンセプトを見える形で明確に描いたことが、今に至るまで役立っています。退職後は仕立の専門店でお直しの技術を学びました。

似合う服を着るともっと自分が好きになる

memy07.jpeg店名は、「私(me)のための、私の(my)のお気に入り」というコンセプトから。服が主役ではなく、着る人が主役。似合う服を着るともっと自分を好きになる。そんな服を着て人からもっと褒められてほしいと思いながら接客しています。
商品は70~90年代のアメリカの古着が中心で、東京、名古屋などの買付専門業者へ出向いて仕入れています。古着屋さんの一般的なイメージからすると、点数は少ないかもしれません。経験上、どんなにデザインが好きでも、着心地が悪いと着なくなってしまうもの。肌あたりの良い素材、体になじむパターンなどにこだわって厳選しています。うちの店で体型にぴったりの“シンデレラフィット“する服に出会ったことをきっかけに、リピーターになってくれた若い男性のお客様もいて、うれしくなりました。

空き店舗を活用、2階で隠れ家ふうに

memy08.jpeg店舗は「富山市新規出店サポート事業補助金の対象区域であること」「家賃10万円以下」「作業やストックするスペースを確保できる」の3つの条件で探し、すべてに当てはまったのが今の場所です。2階は入りづらい印象もありますが、知った人だけが訪れる隠れ家のような店づくりにはぴったり。週末は22時まで営業するため、防犯面での安心感もありました。
内装はコンクリートむき出しのスケルトン状態を活用して、廃墟をイメージしています。壁に立て掛けたフェンスはインテリアとして馴染みながら、限られた空間で服をたくさん吊るせるので便利です。家具のほとんどは古道具や古材で統一感を出しました。大きめのカウンターテーブルではミシンを置いて作業する一方、お客様たちがドリンクを飲みながらひと息つけるスペースです。

富山市新規出店サポート事業補助金を活用

知り合いの経営者の方にすすめられ訪れた富山商工会議所で、起業・創業の支援制度があることを知り、その中で店舗の改装費や賃借代などに対して支援を受けられる「富山市新規出店サポート事業補助金」を活用。運営費などに充当しました。資金計画を立てる際には中小企業診断士の方にお世話になり、有用なアドバイスを受けられたことも大きかったですね。友人の人脈や同業者からの情報など、横のつながりにもずいぶん助けられました。

様々な経験を通して得たことを次に生かす

memy09.jpeg開店して1年、うまくいかないことを前提にした数値とはいえ、目標の売上に届いて驚いています。修繕やリメイク、オーダーメードが予想より多く、他店からの2mのビッグTシャツやこたつカバーといった特殊な制作依頼もありました。古着イベントに出店したり、店で貸切のDJイベントを開催したり。アクシデントもありましたし、課題も残りました。2年目はそうした様々な経験から得たことを生かしていくのが楽しみです。
今年7月のポップアップ(期間限定の出店)の際に初めてSNSの有料広告を利用したところ、効果の大きさを実感。今後もうまく活用して、さらなるフォロワー獲得につなげたいです。
実店舗を重視してきましたが、SNSを通じて遠方のお客様からの問い合わせも多くなり、接客や販売の間口を広げることを模索しています。ゆくゆくはスタッフを雇用したいですね。

これから起業・創業を考えている方へのアドバイス

軸になるコンセプトを明確にしておくことが一番大事だと思います。ブレなければ、多少状況が変わってもうまくいくはず。わからないことがあれば調べるなり、人に聞くなり行動することも大切。教えてもらったら感謝すればいいので、どんどん頼っていいと思いますよ。公的な支援制度もうまく活用してみてください。