特集
Feature
富山市では、飲食店等を開業しようとしている方や開業して間もない方に対して、店舗運営を経験する場として、富山駅前にある商業施設「マリエとやま」1階にある「シェアキッチンまるきち」を提供しています。同スペースを運営している「富山ターミナルビル株式会社」の開発企画部兼営業部の主任・細川育歩(ほそかわ・いくみ)さんに、シェアキッチンまるきちの特徴や魅力などをお聞きしました。また、お店のオープンに向けて実際にそのスペースを利用している前口理絵(まえぐち・りえ)さんに、利用を決めたきっかけや実際の感想、創業者支援等についてお聞きしました。
細川さん: 一般の方も利用できる、開かれたキッチン付きの催事スペースです。冷蔵庫や冷凍庫、シンク、作業台などの設備を整えることで、これまで困難だった作りたての味を提供できる催事出店を可能にしています。
私たち「富山ターミナルビル」は、「まちに寄り添い、喜びを分かち合う」というビジョンのもと、商業施設の運営やイベントの開催などを通して、富山駅前の活性化に力を注いでいます。シェアキッチンまるきちは、もっと賑やかにしたい、挑戦をしたい人が一歩踏み出せる場を作りたいという思いを形にするために生まれました。
細川さん: 飲食業等創業者支援事業は、5日間の連続利用が基本となっており、これまでに今回の前口さんも含めて2名の実績があります。1回目の方は、ハンドドリップコーヒーの業態でご利用いただきました。キッチン付きですので、すぐに出店が可能です。お店をオープンする前に、ここで接客の練習をすることができます。事前にそうした経験を積みたい方や、新しいメニューを考案された時などにおすすめの場所。物販も可能ですが、飲食関連の方が適しているかもしれません。
細川さん: キッチン付きであることに加え、駅前という立地の良さが大きな魅力。平日の昼はサラリーマン、夕方以降は学生、土日はファミリーが多いため、幅広い年代の人にアピールできるとともに、直に反応を知ることができます。また、出店いただく際は、できるだけ告知や宣伝の協力も行っています。弊社は、特にSNSに力を入れており、インスタグラムのフォロワーは約9,000人。SNSやホームページでの発信や、館内での告知なども可能ですので、多くの方々にPRできるのではと思っています。
細川さん: 本来であれば、1日あたりの売上歩合使用料が発生しますが、支援対象の要件をすべて満たした方が利用される場合は賃料が発生しません。クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス端末の貸し出しや、キッチンの付帯設備も無料で利用できます。その設備に関してはコンロはなく、ガスの持ち込みは想定していませんが、できるだけご要望にお応えできるよう努めています。3月2日まで募集していますので、利用の申請方法などについては、お気軽にお問い合わせください。
https://toyama-sogyo.jp/feature/c8e5334bdc6f4c9745fe83f3cd700d2bce936021.html
3月2日以降もチャレンジショップなどでの活用や、短期から長期の催事などで賑わいを創出していきたいと考えています。興味のある方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
前口さん: 今春、富山市八尾町にドリア専門店「ラトリエ・ド・ドリア」をオープンする予定です。経営は初めてですが、その日に向けてできるだけ多くのことを経験して成長するために、シェアキッチンまるきちの出店にチャレンジすることにしました。利用を決めたのは、富山市の「とやまチャレンジ創業応援補助金」の申請時に、富山市商工労働部商工労政課の方からご紹介いただいたことがきっかけです。富山市からさまざまな面でサポートを受けられる点に魅力を感じたことも後押しになりました。
前口さん: ドリア専門店は16席ほどのコンテナハウスで、最初はランチとカフェのみの営業でスタートする予定です。ワンオペで丁寧にお客様と向き合いながら、少しずつお店を育てていきたいなと考えています。そうした未来に向けて、シェアキッチンまるきちは幅広い年代の人たちが訪れる場所として、無償でお借りできることがありがたいですね。アプローチ方法を模索できることが勉強になっています。私の場合は、電子レンジとIHの一口のヒーターを持ち込むことができたため、事前にドリアを作り、こちらで温めてから提供しています。たくさんの方に味を知っていただくため、試食の提供にトライすることもできました。
前口さん: 夢だった飲食の道に進むことを決意した後は、まず専門的なアドバイスをいただくために、富山県よろず支援拠点へ相談に伺いました。その時に、担当の方からアドバイスによって、コンセプトを固めることの重要性に気づくことができ、ターゲットを設定やメニュー構成などが明確になっていきました。
また、富山市の「とやまチャレンジ創業応援補助金」の他、富山県の「起業なら富山!創業・移住支援事業」の補助金を活用させていただきました。前者は私の右腕となるスチームコンベクションの購入に、後者は店舗の内装費にあてました。どちらも創業支援セミナー等への参加が条件でしたが、実際に受講してみると、自分の知らないことばかりでとても勉強になりました。内容も面白く、最後まで楽しく学ぶことができました。
前口さん: 温かい料理を提供する場合は、準備の質がそのまま営業のスムーズさに直結します。どこまで仕上げておくか、当日はどう動くかなどを事前にしっかり考えることが大切。段取りやアイデア次第で可能性を大きく広げられます。
シェアキッチンまるきちは、新しい挑戦を後押ししてくれる場所。緊張しすぎず、自分らしさを大切にしながら、できるところから一歩踏み出してみませんか。